『恐山感動ツアー』無事終了しました

去る7月24日、25日の両日にて青森県恐山ツアーを無事終了することができました。恐山は日本3大霊山(比叡山、高野山、恐山)として古くから歴史があり、院代の南老師は永平寺で大変お世話になった方でもあります。


今回のツアーは私自身大変懐かしく楽しみでもありました。1300キロにも及ぶ道のりを行くと恐山に近づくにつれ豪雨や霰で同行したみなさんも心細くなっていったようです。気温もどんどん下がり、到着すると同じ日本かと思うほどひんやりしていました。


到着後、説明とお食事をいただき、南老師から法話をいただきました。「お坊さん、私は死んだら良いところへ行けますか?」とたずねる95歳のおばあちゃん。「ぼく、これからひきこもろうと思うんですけど、どう思いますか?」と不条理な相談をもちかける学生。「死んだ息子にどうしても会いたい」と漏らす母親。


本州最北端、古くから「死者と出会う場所」として知られ、訪れる人が後をたたない恐山。さまざまに欠落を抱え、悩み、戸惑う人々。彼らは、なぜこの辺境にまで足を運ぶのだろうか。人はなぜ(この世に存在しない)霊魂を求めてしまうのか?


彼らと正面から向き合った老師の体験をお話しいただきました。

法話後、久しぶりに南老師と歓談することができました。みなさんも大変喜んでおりました。ありがとうございました。


合掌


尚、『恐山夜話』として後日、出版が予定されているそうです。

南直哉

1985年長野生まれ。早稲田大学文学部卒業後、サラリーマンを経て、

1984年曹洞宗で出家得度。同年、福井県の大本山永平寺へ入門。

2003年まで約20年の修行生活をおくる。

2005年から青森恐山の院代(山主代理)

著書に『語る禅僧』『日常生活のなかの禅』『問いから始まる仏教』『老師と少年』『共著に『人は死ぬから生きられる』『やさしい禅入門』など。


平成二十二年七月 吉日


副住職  長 谷 川 俊 道