いのちキラキラ寺子屋ライブ-『生きる力』歌手:中島啓江さんによる歌とおしゃべり

かつて寺院は寺子屋に象徴されるように人々の学びの場として高い教育基盤を社会に与え、仏教は生老病死の四苦八苦の荒波を乗り超えるための妙薬として人々の心の支えとなっていました。

しかし、日本の伝統仏教教団が「葬式仏教」と揶揄される今日、仏教を真剣に学ぶ場としてお寺の本堂が有効に活用されることも少なく、「こころの時代」「宗教教育の大切さ」を叫ばれながらも社会に果たすべき役割を満たしていないことも事実ではないでしょうか。


そこで、明るい寺子屋瑞岩寺では、当檀信徒はもとより志を持つすべての人々へ100回を目標にこの学びの場を提供してゆきます。


今回は第3回目、テレビでもおなじみのソプラノ歌手中島啓江(けいこ)さんでした! 雨天の悪天候にもかかわらず 300 人近い人々においでいただきました。境内も 1000本のキャンドルをなんとか灯し幽玄な雰囲気をかもしだしました。楽しいトークや『千の風になって』『この街で』『アメージンググレイス』ほか9曲を披露いただきました。


中島さんは、子供の頃ひどいイジメにあったそうです。また、10年前に最愛の母親を亡くされました。そのとき『千の風になって』を歌う度に泣いてしまい歌えなかったそうです。

そのうちに、天国の母が「啓江、あんたいつまでも泣いてんじゃないよ。早く笑顔になって元気な姿をお墓に見せにきてちょうだいよ。」って言われ気がした、母に。一番大切な人を亡くしたあとに聞きたい言葉は、どこか遠くからでもいいから「啓江、もう泣くなよ。」っていう言葉です。それが歌っているうちに分かってすごく元気になれたそうです。


今回は瑞岩寺が葬儀のときに行っている『千の風になって』とお経『般若心経』とのコラボもさせていただき感無量でした。


本堂だけではなく境内を埋め尽くした人たちは中島さんすばらしい歌唱力に酔いしれ、トークに笑い転げたそんな楽しいひとときでした


どんなにつらいことがあっても、「ありがとう」という魔法のことばを勇気をもって言う力を中島さんからいただいた気がするそんな夜でした。


中島啓江 Profile

鹿児島県出身。昭和音楽短期大学デュプロマoオペラ専攻科修了。藤原歌劇団出身。春平紀美、故、砂原美知子、マルチュラoコヴォーニ女史らに師事。1986年には、初のソロコンサートを行う。その後、宮本亜門演出の『 I GOT MERMAN』に出演し高い評価を得る。テレビでは NHK『音楽夢コレクション』『夢りんりん丸』 TBS『いかすバンド天国』、ラジオでは『大沢悠里のゆうゆうワイド』にレギュラー出演。


著書には『今日も元気だオペラがみたい』『じゃあね』『いつも心にありがとう』があり、2006年には、自身の体験をもとに絵本『私からありがとう』を発刊し、2008年に『答えは、 YES!』(岩波書店)を発刊。 また、ミュージカルでは2001年東京国際フォーラムにて、ブロードウェイのミュージカル『 CANDIDE』に出演、2003年シアターアップルにて『 Blues In The Night』に主演。銀座博品館劇場で恒例のコンサート『夢で逢いましょう』は2010年で17回目を迎える。


2006年より後世に残し伝えていく CD『伝えたい』シリーズを発売、『千の風になって』が大好評を博す。


2007年に『この街で』、2008年に『童神(わらびがみ)』、2009年には『見上げてごらん夜空の星を』を発売した。

同年より童謡コーラスの啓発活動員「お啓ちゃん」として、広く多くの地域のみなさまに「童謡コーラス」の魅力を伝え、地域の音楽家、教育者、音楽文化に貢献している。阪神o淡路大震災の追悼無料コンサートは、2010年で15年目、自身のライフワークとなっている。物質文化が進み、現代に欠けてしまっている「心」の復興に努める活動を精力的に行っている。


合掌


平成二十二年十月 吉日

住 職      長 谷 川 昭 雄