寺子屋講演会 姜尚中さん『心の力』

今回はテレビやラジオなどで大活躍の東京大学名誉教授の姜尚中(カン・サンジュン)さんに『心の力』と題してご講演いただきました。

 

姜さんは人間の心は目に見えないとする一方で、「人を評価する上でとても大事なものだ」とおっしゃられていました。また、夏目漱石が生きた明治、大正期と現代は生活に不安を抱えている点で非常に似ていると指摘し「日本人全体がいま心の平穏を求めている」とお話しされていました。


非常に温和で静かな語り口の中に、漱石の多くの言葉を引用し、鋭い論評を展開する姜尚中さんに300名近い聴衆がただただ魅了されていました。

 

私も『心の力』『悩む力』『こころ』などを拝読させていただきました。とても深い内容です。是非、多くの方々がこの書籍に触れられることを願っております。合掌

 

   平成27年3月7日     瑞岩寺住職 長谷川俊道

 

姜尚中(カン・サンジュン)Kang Sang-jung

<プロフィール>

1950年、熊本県熊本市に生まれる。国際基督教大学准教授、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授などを経て、

現在聖学院大学学長、東京大学名誉教授。

専攻は政治学、政治思想史。テレビ・新聞・雑誌などで幅広く活躍。

主な著書に『マックス・ウェーバーと近代』、『オリエンタリズムの彼方へ』、『ナショナリズム』、『東北アジア共同の家をめざして』、

『増補版 日朝関係の克服』、『在日』『姜尚中の政治学入門』、『ニッポン・サバイバル』、『愛国の作法』、『悩む力』、『リーダーは半歩前を歩け』、『あなたは誰?私はここにいる』など。

共著に『グローバル化の遠近法』、『ナショナリズムの克服』、『デモクラシーの冒険』、『戦争の世紀を超えて』、『大日本・満州帝国の遺産』など。編著に『在日一世の記憶』など。小説『母―オモニ―』、『心』を刊行。最新刊『心の力』。