今回はテレビやラジオなどのメディアで大活躍され芥川賞作家でもあり福島県福聚寺のご住職でもあられる玄侑宗久さんに『風流に生きる』と題してご講演いただきました。
玄侑さんは大学卒業後に様々な経験をされて作家と僧侶という二足のわらじを履かれています。かつその両方を積極的に活用され情報を発信し世間と関わりを持たれています。今年還暦を迎えられた玄侑さんの「丙申」の話題から、イスラム文化のお話し、「鶴と亀」の話など次々と話題豊富に文化や宗教、日本人の価値観などについて語っていただきました。
特に「風流に生きる」の場面では、松尾芭蕉と仏頂禅師の問答を引き合いに出されて、芭蕉と仏頂禅師の悟りにまつわる境涯について分かりやすくお話しいただきました。
私も先生の書籍はすべて拝読させていただいておりますが、いつも多くの気づきをいただいております。きっと、参加された皆様もそうだったろうと思います。
小説家らしく温和で静かで優しい笑顔から、深淵で切り立つような深い言霊の数々が玄侑さんの修行の深さを感じ、多くの聴衆が和やかな中にも真剣にお話を聞いておられました。
最後の福島の原発や、小説、生死などのQ&Aにも快くお答えいただき、多くの参加者の一助になったと信じております。
平成28年1月11日 瑞岩寺住職 長谷川俊道
玄侑宗久さんのインタビューは瑞岩寺Podcast番組『HASEの金曜は聴きこみ寺』の【第133〜136回】で聞くことができます!
・ iTunesでお聴きになる方には、
https://itunes.apple.com/jp/podcast/komatta-shino-tingkikomi-si/id624486999?mt=2
・ PCで直接聴取される方には、
http://podcast5.kiqtas.jp/kikikomi/
<プロフィール>
玄侑 宗久(げんゆうそうきゅう)
1956年福島県三春町生まれ。慶応義塾大学文学部中国文学科卒業。現在は福聚 寺住職の傍ら、花園大学仏教学科および新潟薬科大学応用生命科学部の客員 教 授、福島県警通訳、福島県立医科大学経営審議委員など。2001年、『中陰の花』 で第125回芥川賞受賞。また2007年には柳澤桂子氏との往 復書簡「般若心経 い のちの対話」で第68回文藝春秋読者賞、2014年には東日本大震災の被災者を描い た短編集『光の山』にて芸術選奨本賞受 賞。近著は『風流ここに至れり』(幻 戯書房)、『お寺からの賜りもの』(大法輪閣)、『仙厓 無法の禅』(PHP 研究所)など。
公式サイトは、 http://genyu-sokyu.com