寺子屋ライブ ave&つるりん和尚&Candle JUNEさんによる『福島からのメッセージ〜震災から5年〜』

恒例になりました瑞岩寺秋彼岸寺子屋ライブを今年も開催しました。秋の夕暮れ、キャンドルの灯のもと、つるりん和尚さまのトークとaveさんのアコースティックギターの音色と思いのこもった歌声が本堂に響きわたり、心に残るトーク&ライブになりました。

 

今回のゲストは、福島市常円寺ご住職・つるりん和尚こと阿部光裕さんと、シンガーソングライターのave(エイヴ)さんです。つるりん和尚さまは、私の永平寺時代の大先輩。永平寺の修行を終え徒歩で太田市のお寺に戻る時も途中までご一緒した仲であり、亡き先住さまは私の法幢師でもあるというご縁です。東日本大震災の直後、誰よりも早く除染した土をお寺の敷地内に受け入れられ、現在でも復興のために様々な分野で尽力されています。

また、シンガーソングライターのaveさんも、福島在住のシンガーソングライターで、そのメッセージ性のある歌で、震災直後から多くの被災者を元気づけ、全国各地にその思いを発信しておられる方です。

 

そして、そんなお二人のライブをキャンドルの灯で優しく包んでくださったのがキャンドルアーティストとして知られるキャンドル・ジュンさんです。今回、瑞岩寺のために、皆さんが集まってくださり、こんなに素敵なコラボレーションが実現しました。

 

ライブは、aveさんの心に染み入る歌をつるりん和尚さんがトークでつないでいきます。震災後の福島のこと、被災された皆さんの様子、2016年4月に熊本、大分を襲った地震のこと、さらに仏教のこと、宗教のことなど、様々な話題がありました。

 

当時小学校2年生だった和尚さんの息子さんは、震災のあと学校の友達から「放射能の雨に打たれると死ぬんだって」と聞き、下校途中に雨に降られた時、「僕、死んじゃう」と言ってガタガタ震えていたそうです。何を信じて良いのかもわからないような状況の中、和尚さんは行政よりも早く除染を始めました。その後さまざまな分野の専門家たちも常円寺に集まるようになり、お寺は各地の除染活動の中心的な存在になりました。

 

また、南相馬で被災されたご家族のお話もありました。南相馬は津波と原発事故、両方の被害を受けています。津波で流された人たちを探したいけれど、当時は自衛隊や警察の人でさえ、なかなか入ることが許されない場所でした。娘さんのご遺体が上がったと聞きながら会いに行かれない無念さを抱えるご家族、あるいはまだ見つからないご家族を探し続ける方もいらっしゃいます。被災された方にとっては、震災はまだまだ過去ではないのです。

 

和尚さんは、トークの中で宗教のない世の中が素敵だとおっしゃいました。それは、悩みや迷いがなければ、宗教にすがらなくてもいいからだと。震災から年月が経っても、被災地の辛さや悲しみを忘れてはいけない。皆でよりよい未来を作っていかなければ。

ライブを観に来られた皆さんの心にも、aveさんの歌声とともに、そんな思いが刻まれたことと思います。

 

ライブの最後、キャンドル・ジュンさんがみんなの前に招かれました。ジュンさんは、毎月11日の命日に被災地に足を運んでイベントを行っているそうですが、それは支援活動ではなく、自分のためにやっているものだと言います。原発で作られた電気は東京に送られ、自分はそれを使っている。だから、自分は謝る旅を続けているのだと。

また、東京のガソリンスタンドで、たまたま電源が入ったままになっていたガイガーカウンターが異常に鳴ったことがあったそうです。その原因は横にいたトラックの運んでいた荷物だったと思われるとのこと。そんな世の中なのだから、福島だけを差別するのはやめよう。そのメッセージを自分の声で届けていきたいと話してくれました。

 

時に明るく、時にしんみり、観に来られた皆さんは様々なことを感じ取られたことと思います。和尚さん、aveさん、そして、キャンドル・ジュンさん。

意義深い時間を本当にありがとうございました。

 

つるりん和尚さんとaveさんのインタビューは瑞岩寺Podcast番組『HASEの金曜は聴きこみ寺』の【第169172回】で聞くことができます!

Candle JUNEさんのインタビューは瑞岩寺Podcast番組『HASEの金曜は聴きこみ寺』の【第153156回】で聞くことができます!

・ iTunesでお聴きになる方には、

https://itunes.apple.com/jp/podcast/komatta-shino-tingkikomi-si/id624486999?mt=2

・ PCで直接聴取される方には、

 

 

http://podcast5.kiqtas.jp/kikikomi/

 

<プロフィール>

つるりん和尚 

本名:阿部光裕(あべこうゆう) 福島市・常円寺住職

2011年震災から2ヵ月後に、“福島復興プロジェクト「花に願いを」”を立ち上げ、自主的に寺の所有地に汚染土壌の仮置き場を設け除染ボランティアに励む。

その活動は国内のマスコミ各社で取り上げられ、NHKワールドのドキュメンタリー番組「見えない雪に覆われて~福島・ある僧侶の戦い~」の放映により世界各国からの取材が集中した。

法務省主催の人権フォーラム「震災と人権」では、東大アイソトープセンター長の児玉龍彦氏らとともにパネリストをつとめた。

また、震災前には、市民にお寺を広く開放する事業・明るい寺子屋「つるりん学校」を主催。

広島・長崎の原爆犠牲者のために30万体の地蔵をアメリカから届ける“平和のための地蔵プロジェクト”の日本代表をつとめるなど社会貢献事業も積極的に展開。

「バカの壁」で知られる養老孟司先生の生前模擬葬儀を通じて、「死をみつめて生を考える」集いを開催し、その模様が「養老先生と遊ぶ」(新潮社)に掲載される。

震災後、ラジオ福島「つるりん和尚のああいえばこうゆう録」でパーソナリティーをつとめ、歯に衣着せずに行政にもの申すお坊さんとしてリスナーから支持され、現在、FMポコ「aveとつるりん和尚の笑ってごまかせ」に出演中

 

昭和39年1月18日生

駒澤大学仏教学部卒

大本山永平寺にて6年間修行後、行脚にて福島に帰る

全国曹洞宗青年会教化委員長、30周年事業実行委員長を歴任。

現在、曹洞宗宗議会議員 福島県囲碁連盟会長 好国寺専門僧堂講師(僧侶の育成)

福島復興プロジェクトチーム「花に願いを」代表

「福島学びのネットワーク」理事

福島刑務所特別改善指導講師(人命を奪う事案を起こした収容者への特別指導)

保護司 福島21RC所属

 

<プロフィール>

ave(エイヴ)  Acoustic Variety Entertainment
シンガーソングライター 1978.11.03生。


福島県福島市出身、同県同市在住。
アコースティックギター片手に、地元福島を拠点に全国各地でもライヴを展開。
ラジオ番組のパーソナリティ、TVCMへの出演、楽曲提供など、精力的に活動中。

ラヴソングを中心に、情景が浮かびやすいシンプルな言葉で、ドラマにはならないような身近な音楽を紡ぎだすシンガーソングライタ―。

 



■■活動歴■■
1999年から3年半、2人組『網戸』として活動。
2002年9月よりave(エイヴ)として活動。
2009年2月、福島テルサにて沢田知可子氏のコンサートにゲスト出演。
4月、福島市公会堂にて初めての単独コンサートを敢行(集客数1000人)。
5月、3rdシングル『福の歌』をリリース。
2011年3月、東日本大震災にて『福の歌~頑張っぺver.~』を制作したところ、県内外、海外からも反響を頂き、各種メディアで取り上げられる。

 

【新聞社・雑誌社】 共同通信社、朝日新聞(全国版)、毎日新聞(全国版)、福島民友、福島民報、読売新聞、リビング新聞、スポーツニッポン、週刊新潮、オリコン、日経エンタテイメント、etc…
【ラジオ局】 FM-POCO、rfcラジオ福島、ふくしまFM、J-WAVE、東京FM、NHK-FM、ベイエフエム、広島FM、etc…
【TV局】 KFB福島放送、FTV福島テレビ、TUFテレビユー福島、FCT福島中央テレビ、中国国営放送CCTV、etc…
4月、避難所等でライブを実施。
6月、ホテルリステル猪苗代で高橋まこと(ex.BOΦWY)をホストに行われた【GAMBARUZO!ふくしま 2DAYS LIVE】にて、泉谷しげる、杏子(ex.BARBEE BOYS)、土屋アンナ、浜崎貴司(フライングキッズ)、川嶋あい、GIRL NEXT DOOR、De-LAX、ふくい舞らと共に共演。 このイベントのテーマソングに『福の歌~頑張っぺver.~』が起用される。
6月28日、初のミニアルバム『僕の歌は、君の歌。それが福の歌。』をリリース。
2012年2月15日、4thシングル『福島(ぼくら)の風/千輪咲の花』をリリース。

2011年、11月14日から22日までの期間、社団法人日本民間放送連盟が、民放ラジオ統一プロジェクトとして『“Radio by your side”この音楽にありがとう!~民放ラジオ100人のWISH~』を実施。
全国の民放ラジオ100局が選出した 厳選WISH の中から、福島県須賀川市にお住まいの方からお寄せいただいた楽曲『福の歌~頑張っぺver.~』と、この曲にまつわるエピソードが「Radio by your side賞」として選ばれました。
その表彰式の模様が、2012年3月5日~3月11日の間に、全国のFM局、AM局で放送されました。

2013年9月、『風とロック芋煮会2013』に出演。
10月23日、横浜のシンガー白鳥吏南さんとコラボレーションシングル『ただいま/ツワブキノハナ』をリリース。
2014年2月、箭内道彦さんがパーソナリティを務める『風とロックCARAVAN福島~ラジオ公開生放送~』にTOSHI-LOW(BRAHMAN)さんと共にゲスト出演。
6月、横浜ベイスターズ×東北楽天イーグルスの試合で、音速ライン、ひとりぼっち秀吉BANDと共に「福島ベコスターズ」として出演。9月、 『風とロック芋煮会2014~BASEBALL~』に出演。10月、『風とロックCARAVAN福島』に箭内道彦さん、富澤タクさん、柴田淳さんと共に出演。2015年4月、5thシングル『残星/デート』をリリース。4月、『風とロックCARAVAN福島』に箭内道彦さん、山口隆(サンボマスター)さんと共に出演。2015年、『風とロック芋煮会〜IMONYLAND〜』に出演。2016年3月、福島県文化センター大ホールにて行われた『福島県追悼復興祈念式典』にて、May.Jさんと共演。 4月、『風とロックCARAVAN福島』に箭内道彦さん、富澤タクさんと共に出演。


 



■■ラジオレギュラー番組歴■■


1999年3月~02年8月、rfcラジオ福島「サスケネット・レボリューションGet You」
2001年~毎年、rfcラジオ福島「チャリティーミュージックソン」
2001年6月~02年12月、FM-POCO「網戸のコーク・ザ・レディオ」
2004年4月~05年6月、FM-POCO「aveの歌戯(うたげ)」
2005年7月~06年3月、FM-POCO「aveのMUSIC COMPANY」
2006年4月~2009年3月、FM-POCO「エイブロ。」 
2009年4月~9月、FM-POCO「aveの30分!!」
2009年10月~11年3月、FM-POCOきたかたシティFM「aveとJuni.の音活♪」
2011年4月~9月FM-POCO、きたかたシティFM「aveのハピカレタイム」
2011年10月~13年3月 rfcラジオ福島「ゲストはave」
2013年4月~14年3月 rfcラジオ福島「aveな週末」
2014年4月~現在  FM-POCO「aveとつるりん和尚の、笑ってごまかせ!」毎週木曜日20:00から30分間生放送!!Ustreamでも配信中!

番組へのお便りはこちらから→aves@fm-poco.co.jp♫

 

2014年10月~現在 rfcラジオ福島「チェリーボーイズタイム」毎週日曜日24:30から30分放送中!!

 

<プロフィール>

Candle JUNE(キャンドル じゅん)

 Candle JUNE 1994年からキャンドルの製作を始める。ギャラリーやサロンなどでエキシビションを開催し、 様々なファッションショーや大型フェスティバル、ライブステージの空間演出を行っている。 2001年に広島で「平和の灯」を灯してからは、「Candle Odyssey」と題し、悲しみの地をめぐる旅を始める。2004年の新潟中越地震後は震源地の長岡市で「SONG OF THE EARTH フェスティバル」を開催。 そして2011年3月11日に起こった東日本大震災を受け、社団法人LOVE FOR NIPPONを立ち上げ、現在も福島で精力的な活動を行っている。 

www.candlejune.jp