千葉公慈氏講演会「お寺に出かけよう!〜楽しいお経の物語〜」

2017年3月18日に、瑞岩寺本堂にて、寺子屋講演会が開催されました。

今回のご講演者は、テレビ朝日『ぶっちゃけ寺』で何度もご一緒させていただき番組の中でぶっつけ本番の問答をさせていただいた(笑)日本で一番有名なお坊さん千葉県の千葉公慈さんでした。

 

まず、最初に私達がテレビに出演していたのは、お寺業界の内部事情を「ぶっちゃける」目的ではなく、そもそもの仏教の教えとは何か?それを子どもからお年寄りまで分かりやすく「ぶっちゃける」ということを目標に皆が努力していたことを説明いただいた。その通りでした。(結構努力していたのです。)

 

今回は「お経の物語」ということで仏教には、素晴らしいストーリー(物語)が数多く存在することをご紹介。私達は普段使用している「涅槃」や「悟り」という言葉も要は「気づき」であり、とても身近なもの。

 

その昔、人間の心臓を取り出して神に捧げる宗教があった。その際、仲間の命を助けるためにサンギッチャ少年は自分の命を捧げようともし出るが、そのまさに首を切り落とそうとするときに、落雷が落ちて彼は助かる。その後多くの山賊が少年サンギッチャに弟子入りをする。そのときに、ブッダは、「彼は涅槃した」と言ったという。

 

「お経」の意味は太い縦糸だ。お釈迦さまの教えを正しく伝えようとするために、弟子たちがその教えを紙に残して太い糸で繋いだものだ。そして、「教え」(経)「ルール」(律)「説明書」(論)の3つが三蔵といい。これをマスターした僧侶が「三蔵法師」と呼ばれた。

 

多くの楽しい「ストーリー」をお話ししていただきました。中でも、現代にも通じる教え、それは「決してあきらめない強い信心」です。

 

「ぶっちゃけ寺」のロケのリクエストで先生が一番訪れたかったという福島県相馬市の「百尺観音」。

 

この「百尺観音」ストーリーがすごい!なんと観音像が彫られ始めたのは昭和6年だという。信心深かった荒義明さんが全国遊行の末、巨大仏建設を思い立ち制作を開始したのがそもそもの始まり。

世間の冷たい視線にもめげず彫り続ける事、三十数余年、昭和38年についに荒義明氏は力尽き制作途中でお亡くなりになった。

 

しかし、この後が尋常ではない。何と二代目の保彦氏が父の志を継いで大観音制作!…しかし初代義明氏の死からわずか15年後、二代目保彦氏も53才という若さで他界。

 

しかし祖父、親父、が作り続けた大観音、三代目の嘉道氏が制作し続けているという。未だに完成していない。

ちなみに現在の高さは88尺(約27メートル)。完成した暁には118尺(約36メートル)になるという。

 

人の想いというものは、本当に素晴らしい。禅の言葉に「発心百千万発」と言う言葉がある。最初の「発心」は何度もあきらめずに起こし続けるべきである。3代に渡って掘り続けるまさに「奇跡」そのストーリーに多くの観光客や村人が毎日手を合わせ、3.11の原発にも負けないような勇気を村人たちに与え続けているという。たった一人の想いが福島全体、日本全体に広がろうとしている。

 

これが正に何千年も続くお経の力なのでしょう!合掌

 

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