今回の寺子屋は、これまたテレビ朝日『ぶっちゃけ寺』で何度もご一緒させていただいたお坊さんで落語家の尼僧の露の団姫(つゆのまるこ)さん!
「プロ(落語家)なのにアマ(尼)!?人生が100倍楽しくなる仏の教え」と題してお話しいただいた。
キリスト教徒の夫と結婚した落語家で尼僧の露の団姫さん。
さすが落語家。露の団姫さんが小話を披露するたびに、客席から笑いと拍手が巻き起こった。「落語はプロでも僧としてはアマ」と笑う露の団姫さん。
桂米朝師匠が八十九歳で亡くなるまで虫歯が一本もなかった秘密や、八十五歳のおばあさんがスイミングスクールで一日1km泳ぐ訳など、とても楽しい話を紹介して下さった。
今回の独演会は、第一部は仏教落語、第二部は講演の二部構成だった。
仏教落語では、五年ほど前に露の団姫さんが作った『仏は君をホットケない』というオリジナル仏教落語を披露した。三途の川を渡るための六文銭を母親が入れ忘れたがためにスーパー三途リバーで働いて稼ぐことになった十七歳のタナカ少年と、仏教界のオールスターズが登場する。
第二部の講演会では、露の団姫さんのこれまでの経験を語っていただいた。
三才のとき、祖父の死をきっかけに人間は死んだらどこに行くのかと考えるようになったこと。そして、中学生の時に授業で世の中には宗教というものがあり、そこに私の追い求める答えがあるのではないかと考えるようになったこと。高校一年生の時、両親が落語好きで、将来落語家になりたいと思ったこと。
高校生になり、アルバイトしたお金で買ったのがキリスト教の聖書や、イスラム教のコーランと聞いて驚いた。そのような年頃の少女であれば、もっと違うものに興味を持つ人がほとんどだろう。露の団姫さんは何かに導かれるように仏門へと入った。
また、落語家になるために住み込みでの修行時代のこと。仏門に入ろうとお坊さんのお師匠探しをしたがなかなか見つからずに苦労したこと。そして、比叡山での修行時代の話など、31歳の露の団姫さんがこれほどまでに多くのことを経験したからこそ、様々なことを習得し、光り輝けるのだと思った。
最後は、露の団姫さんの好きな言葉「一隅を照らす」が紹介された。一隅とは自分の役割のことで、それぞれがその持ち場で光り、一人一人の人間が主体性をもって生きることの大切さを説いていただいた。とても素晴らしい独演会でした。
ありがとうございました。合掌 住職